2005年08月09日

2001 Space Odyssey (1968)

31m.jpgスタンリー・キューブリック監督の作品、好きです。
昔、高校生の時に『時計仕掛けのオレンジ』を観て衝撃を受けてから、『ロリータ』、『Dr. Strangelove』、『シャイニング』なども観て、彼の作品のファンになりました。DVDコレクションに加えたい作品ばかりです。

この2001 Space Odyssey、(2001年宇宙の旅)観たことのない人もきっとどこかで見覚えのあるシーンがあると言っていい程、後のSF映画他、映像作りに絶大な影響をもたらした作品です。
実は大学時、何度かこの映画について映像文化のクラスで触れた事もあり、部分を観た事はありました。
週末、急に誘われたコメディークラブのチケットが手に入らなかったので、予定変更で立ち寄ったレンタルビデオ屋でふと目に付き、全部観てみようと思って借りることにしました。


この作品、THX1138やスターウォーズ以前の物ですから、SF映画としては草分け的な存在です。
映像的にも、あ、これスターウォーズで観た!という感じのイメージが、たくさんありました。
脚本はキューブリック監督とSF作家、アーサー・C・クラークの共同プロジェクトで、クラーク氏の短編を元にしているとか。

68年を反映して、ファッションも空間のデザインも60年代の雰囲気満々でしたが、今みるとまたそれが新鮮でおしゃれ!と思ってしまいました。Modsファッションとかって、好きなんですよね。
ミニマリズムを彷佛させる幾何学的でクールな空間に、寓意的なシーンが静かに展開する所など、パフォーマンスアーチスト、Matthew Barneyのビデオもここから影響を受けているような気がしましたネ。(特に終わりの部分など)

ペースはとってもスローです。登場人物も寡黙です。これがまた、無重力空間に漂っているような、限りなく静止に近い宇宙間でのモーションを表現しているようで、アート的には素敵!と思いましたが、一時、眠りを誘われた部分も。(汗)
美しき青きドナウをBGMに、くるくるまわる宇宙ステーションの画像は、とても有名です。観たらきっとデジャブー!って思う事間違いなし。
その宇宙旅行のシーンで、(離乳食のような)液体を食べ、歩き方も頼りなく、トイレの使い方も学ばなければならない旅行者の様子が淡々と描写されます。
宇宙では地球の進化の頂点にある人間もまるで赤ん坊のようです。
これが最後のシーンに繋がる解釈もできる1シーン。
一度寓意にピンとくると、次々におぉ〜!っとなるので、一回以上見る価値ありです。
観終わった後、いろんな解釈を比較するのも楽しみの一つ。

シナリオはバラしませんが、勧善懲悪に重点が置かれ、派手なアクションと説明調なセリフが鼻につく近頃のSF映画とは違い、静かで、セリフの上では多くを語らなくとも、心理的、思想的なメッセージに溢れた傑作です。
SF映画も芸術的、哲学的になるんです! 見習って欲しいなぁ。
幾通りもの解釈が可能だし、各所に寓意がちりばめられていて、映像的にも美しいし、製作された時期(68年)の背景を考えても面白いし、何層もの楽しみ方が出来ると思います。
いつか広い所に住んだら、DVDプロジェクターでお家でこの映画を大きく投影して観たいね〜と夫婦で楽しい妄想をしてしまいました。(笑)

しかし、今は2001年をとっくに過ぎて2005年ですけど、映画の中で予測されていた程の宇宙開発の進歩はありませんでしたね。
それどころじゃなくて、未だに映画の最初に登場した4万年前の類人猿のように恐怖心にかられ、武器を互いに向け合っている状態から脱出できてないようですよね。
あ〜ぁ。(ため息)映画のほうは、★★★★1/2(四つ星半)くらいの評価です。もちろん私の独断と偏見で。

この時代、他のキューブリック作品、Dr.Strangelove(1964)も観ると面白いと思います。
冷戦中、狂った米軍の高官が秘密裏にソビエトへ核兵器投下を命じてしまい、それを知った大統領他、政府の高官が右往左往するブラックコメディー。お勧めです。こちらはペースがずっと早いです。

追記:そうそう、この映画で最も有名な部分を通過してしまいました(汗)
初頭のシーンで、ふぁ〜ふぁ〜ふぁ〜〜ふぁふぁ〜ダンダンダンダンダンダン(何のこっちゃですね)という劇的な名曲『ツァラトゥストラはかく語りき』が使われているのは有名です。リヒャルトシュトラウスが1896年に作曲。この映画で知ったという人も多いとか。
今ではパロディ化されたりしますが、映像とサウンドの絶妙な組み合わせが、印象深いです。


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posted by march-hare at 01:09| Comment(18) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは!!
SF映画も芸術的、哲学的にな映画って見たことないです、そう言えば・・・。
最近はCGが主体ですもんね。

march-hareさんのオススメなんで
きっと良い映画かと・・・
探してみようと思います!
また良い映画がありましたら教えて下さい!

追伸:
遊びに来るたび「ぽち」するんですけれど
書くの面倒で・・・
Posted by たけ at 2005年08月09日 12:10
ああすみません!
お気に入り登録しなかったから、、
相互リンクしませんか??そしたらいつでもこれるし☆
Posted by at 2005年08月09日 12:14
すみません、、名前打つのわすれた、、上の書き込みは私です
Posted by vespatine at 2005年08月09日 12:15
中学生くらいだったかなぁ〜初めて見たのは。
この映画の2001年が既に過去というのが、不思議な気がしますね。

2001年の年賀状に私は小さく英語で2001年になっちゃいましたね、Mr.kubrick!って書いたんだけど、alreadyって書きゃいいのになんとなくyetって書いちゃって・・・
新年初日から英語ばかをご披露する羽目になっちゃいましたw 嫌、笑えない。
今度英作文する時は添削してね♪

このコンピューターの名前がHALというのは、IBMの1歩先行くコンピューターという意味があるそうですよw。アルファベット順で見ると・・・
昔淀川さんの解説で確かおっしゃっていました。
神秘的に作られているから、解釈の仕方で、すごく哲学的にも見えますよね。
生命や宇宙の神秘と人間の業みたいなものを淡々と語ってる。
いろんな解釈ができてテーマでかいので、ちょっと神がかりな感じ。
最後に『どうよっ』て、笑いかけられるようなw

風化されない映画だと思います。
私もお気に入りかな♪
Posted by chika at 2005年08月09日 13:19
たけさん
この映画、とてもお勧めですが、
スローなペースを覚悟して見ないと、焦点ずれちゃう可能性ありです。(笑)
でも1968年ですよ!この映画!
今でも充分新鮮で意味深しです。

政治に興味がおありのたけさんには、
Dr. Strangeloveもお勧め!こちらは、笑えます。
でも鋭い風刺です。ピータ・セラーが一人で4役!

コメントは、気の向いた時でいいですよ〜。
気にしないで下さいネ!
たけさんのコメントがいつもとっても嬉しいです。
ちょっと今月から忙しいので、更新も多少間があくと思います。
Posted by march-hare at 2005年08月10日 07:47
vespertineさん
あのぅ〜。相互リンクって、お気に入りリストに加えるのとは、違うんでしょーか??
超初心者の質問で恥かしいのですが、Seesaaにはお気に入りリンクの欄しか見たところないようです。
違う場合は、是非ご一報下さい。
Posted by march-hare at 2005年08月10日 07:50
chikaさん
さすがchikaさん、もう御覧になっていたんですね!
ホント、2005年にもなっちゃいましたけど、
全然進歩が及んでいませんね。

2001年の年賀状にKuburick監督へのオマージュを忍ばせるなんて、素敵です。
日本語で書いても充分素敵だったかも(笑)

淀川さんなつかしい〜。
そうですか、IBMを一字づつ戻してHALだったんですね。(まだビル・ゲイツ登場前でしたね。この年代)
丁度男の子の名前にもなりますね。友達にHal君っています。(笑)
HALは映画の中で最も気に入っているキャラクターです。この時代からもうAIのテーマを扱っていたんですよね。スゴイ。
数年前のスピルバーグのAI、観ました? テーマに興味があって見たら、私的にはハズレでした。

これだけミニマルで、テンポもスローだからこそ、想像力をかき立てられて、多様なアレゴリーが生きてくるのかもしれませんね。
less is more です、この映画。
Posted by march-hare at 2005年08月10日 08:12
ディスカバリー帰ってきましたね。

この映画は、、見たような、見てないような、、、 でもタイトルは知ってます!!
うちの旦さんのお気に入りだそうで、本も読んだそうです。(さすがSFオタク)
いつになったら宇宙に行くのが お手軽旅行の域になるんでしょうね。 
私の(果てしない)夢は 月から青い地球を見る事なんですよ。月の地面にちょこんと座って、青い地球をただ見つめるだけ。叶ったらいいなの夢ですけどね。。えへへ。
Posted by septcandy at 2005年08月10日 09:00
なんかお忙しそう・・・。
march-hareさんのブログ好きなんですよね。
だからアップされると直ぐ見ちゃう!(笑)

march-hareさんのブログにコメント書くの大好きで直ぐ書くのですが、
「ポチっとしましたぁ〜」って書くの・・・
あれをすぐ忘れてアップしちゃうんですよ!
それを書くのを忘れちゃうから面倒だなーって思ってたという意味です。
すみません言葉足りずで。
「いつもぽちっとしてますのでぇー!」って書いとけば間違いないなと気づきまして!(汗)

Dr. Strangeloveもこの夏見ます!
Posted by たけ at 2005年08月10日 10:57
septcandyさん

ディスカバリー、無事に帰還しましたね〜。
昨日、車の中で、実況中継聞いてました。
一度見てみたいなです、打ち上げと着陸。

この映画、あまりに有名で、いろんな所で何気に引用されたりしているので、以外に身近な作品なんですよね!
私も今回通してみた時に、デジャブー体験が多かったです。

宇宙旅行、してみたい!
でも夫曰く、エネルギー浪費の問題と新エネルギー開発がまず飛躍的に進まないと、絶対実現しないと言ってます。
『実は石油会社が利益維持のためにこういった進歩を妨げているんだ』とか、映画を見ながら横で何か言ってました(笑)
Posted by march-hare at 2005年08月10日 22:16
たけさん
お気遣いありがとうございます。(感涙)

一応目標はサイトのいい宣伝になるために最初の1ページに残る事ですので、今までの感じで充分達成できてますので、ホントに、あんまりポチに気をもまないで下さいね!
支持していただいているのは身にしみて解ります〜。(感涙)

私も今、訪問ポチしてきましたヨ!
今晩ゆっくりコメントしに行きます!
Posted by march-hare at 2005年08月10日 22:24
やっと、書ける♪
朝にはもう読んでたんですけど、2001〜AIときたら、これはもうお子ちゃま寝静まってからだなと・・・w

AIも、もとネタはキューブリックで、彼の死後にスピルバーグによって映画化されてるんですよね。キューブリックがスピルバーグにこの作品を依頼してるという点でも、なんかチグハグなものにならざるを得ない気が。

HALの進化系がAIだそうですが、スピルバーグのヒューマニズムの手を借りてこの作品を完成させたかったというところに、なんかキューブリックの目線の変化を感じてしまいます。

結構、個人主義的な映画の見せ方で、淡々とストーリーを見せ付けて、自分から引き込もうとしないタイプの手法ですよね・・・

スピルバーグも、キューブリックの思いを尊重しながら、この映画に取り組むのは、かなりやりずらかったんじゃないですかねぇ〜
なんかその後味の微妙さが、でちゃった気がします。
正直ラストもよく覚えてないかも・・・
あっジュード・ロウの濃さはしっかり残ってますねw

近未来ものは必ずや、ブレードランナーとイメージかぶりますよね。
やはり先駆者となるものは後世に残るんだなぁ〜


Posted by chika at 2005年08月11日 00:56
chikaさん
ジュード・ロウ、濃かったです!AIで。(笑)
最近は26歳のベビーシッターとの浮気も暴露されて、何だ、やっぱり軽いとこあったんね〜君も。という感じですが。

AIは何でよりにもよってスピルバーグなんだろ?って思いました。ニュアンスを上手に生かして物語るという監督ではないですよね。どちらかというと、行間のニュアンスでというよりも、キャッチーな文で話を表現するタイプという感じ。

私もラストをよく憶えていないのですが、全体的に、ピノキオのお話みたいだと思ったのは憶えています(笑)
あんまり印象深くなかったですね〜。

chikaさんのおっしゃる通り、スピルバーグのAIは彼等が最も憧れるのは人間になることというテーマが中心で、人間中心の視点がどうしても強いですよね。

キューブリックだったら、もっとクールに『ひょっとすると、人間以外の、それ以上の在り方があるかも』みたいなシナリオが期待できたのではと、勝手に夢想しちゃいます。
そんなちょっと枠をずらしたような考え方に憧れるんですよね。そのほうが、面白いと思っちゃいます。(笑)
Posted by march-hare at 2005年08月11日 10:53
chika さん(続き)
あ、そうそう、ブレードランナーもなかなかでしたよね!
あの映画も印象深いイメージが豊富です。
THX1138 (1972)は御覧になりましたか?
ジョージ・ルーカスの初期の作品。
あれも、寓意に満ちた映画で大好きです。
SFXとかはごく僅かで、舞台劇のようなシンプルさ。
でもスリル満点、面白いです。
Posted by march-hare at 2005年08月11日 11:01
ポチっは気になりますよ!
だって、良いコメント書いてるのに
他の人に読んでもらえないのはもったいないっ!
ランクが上がると、やはり読んでもらえる確立も単純に高くなる。

march-hareさんのブログは読むとためになるのもあるし、私が好きだからやはり推薦したい!と自然に思うわけです!

ボストン勢、頑張っていきましょー!
Posted by たけ at 2005年08月11日 13:22
いいなぁ〜私もボストン勢に入っちゃおうかな〜w

盛り上がってますよね。marchさんの記事は皆さん同様私も大ファンです!
最初TBでお知り合いになった時は、コメント書く度胸もなかったのに、今じゃすっかりずうずうしくなってしまいましたw

レベルを下げてしまうようで恐縮ですが、申し訳ない!諦めてください。 m(__)m

1972観てないな〜
チェックリストに入れときますね♪

はい、ポチや〜!
Posted by chika at 2005年08月11日 21:12
たけさん
どうもありがとうございます!(感涙)
ブログでお友達が出来るのが一番うれしいです。
始めた頃は、密かにやっていた気分でしたが、
書き甲斐も、楽しみも増えました!

Posted by march-hare at 2005年08月12日 00:07
chikaさん
chikaさんはHonorary Bostonianです。(笑)
レベルを下げるようだなんて、とんでもないです!
それどころか、記事の内容をリッチにしていただいていますよ!ホントに。
chikaさんの感性豊かなコメント、いつも楽しみです。
Posted by march-hare at 2005年08月12日 00:12
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