2005年04月24日

最近みたDVD映画:ドッグヴィル(ドッグヴィルの告白)

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ラース・ヴォン・トリアー監督は私の好きな監督の一人です。とってもクセが強く、その特有の性格のために俳優や制作クルーとの関係がいつもこじれてしまうのが有名な監督ですが、作品もその人柄のようにアクが強いかも。でも私は彼の作品、好きですねー。彼の才能は本物と思います。これまでの奇跡の海(breaking the waves)(★★★★)や、Bjork主演のダンサー・イン・ザ・ダーク(★★★1/2)なんかも良かったけれど、今回のこのドッグヴィルは多分トリアー監督の作品の中では一番好きな作品かもしれないです。この作品は、普通の映画のように観るよりも、動く寓意として観ると、監督の意図がよく分かります。この映画の抽象的なセットや、象徴的な台詞とナレーションは、登場人物に完全に感情移入することを拒み、こちらは常に離れた所から観察しているような気分にさせられます。この距離感はストーリが展開するにつれて次第に浮上する人々の残酷さのあらゆる側面を見る側にはっきりとクールに意識させます。小道具のみの舞台のようなセットは、日常的な空間ではなく、心理的な空間を強烈に表現していて、印象深いです。もともとインディペンデント系やアート系の映画の方が好きなので、ハリウッド女優のニコル・キッドマンが主演なのが初めは心外に思えましたが、彼女の演技がとてもキャラクターにマッチしていて良かったです。なかなかいい役者なのね〜と感心。多分好き嫌い大きく別れる作品かと思いますが、私は気に入りました!一つ難をいえば長いところかな。(3時間)個人的には全く気にならなかったけど、一緒に見ていた夫のコメントでした。後から様々な解釈が出来、ずっと考えさせられる作品です。映画を学ぶ人にはたまらない作品かもしれません。論文がいくつも書けてしまいそうです。芸術的。★★★★ 四つ星〜!

アートシネマ好きですか? プッシュ宜しくお願いします!
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posted by march-hare at 04:47| Comment(2) | TrackBack(2) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
march-hareさん、はじめまして。ブログも拝見、マサチューセッツでBlog RankingやBlog Petやってるって、すごいヘンですが、どれも面白そう。「ドッグヴィル」の分析も唸りました。特に距離感のお話。おっしゃること、すごーく分かります。感情移入を拒み、観察者にしていく。心理的空間の緊縛感(緊張感)を増していくラースの手法は成功していると思います。「境界がない」というのはまさにドッグヴィル的空間で、ラースはさながら人形遣いのように俳優を操っていく。空間の発想としてはコンピュータ・ゲームがあったと本人がインタビューに答えていますが、分身かどうかは分からないのですが、あの演劇のすべてがラースの脳内空間のエクスタシーと関わっていることは確かでしょう。俳優のすべての台詞はラースのためにあると思います。

僕はね、この緊縛的エクスタシーの中でラースがどう発情しているのかにすごく興味があるんです。僕は映像作家としてのラースを評価していますよ。そこに拍手をしてもいいのですが、僕も意地が悪いので、意地の悪いラースをさらに観察しているわけです。その面白さはありますね。また、「キングダム」が観たくなったな。ウド・キア好きには堪らない映画のようです。
Posted by 國貞陽一 at 2005年05月10日 01:56
國貞さん、
ご丁寧にコメントこちらにも残していただいてありがとうございます。日本のラース作品を評価する方とはるばるマサチューセッツからお話できるのはとっても嬉しいです。私も彼の意地悪な所と脳内空間のエクスタシーに惹かれてしまう変わり者です。最近、ラースのZENTROPA(1992)を初めて観たのですが、背景や登場人物の配置は違えど思いのほかドッグヴィルに繋がる部分が多いのに驚きました。
Posted by march-hare at 2005年05月10日 03:15
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生贄と権力の映画、神のように傲慢な『ドッグヴィル』
Excerpt: (これは批評ではありません) ラース・フォン・トリアー(1956〜)は、「イディオッツ」を見逃しているが、それ以外はほとんど観ている。最初に観たのは「キングダム」シリーズで、これにハマッたものだ..
Weblog: EXIT2005
Tracked: 2005-05-08 23:14

【審判の日】「ドッグヴィル」/ラース・フォン・トリアー
Excerpt: 醜悪なカタストロフ  ベルトルト・ブレヒト(Eugen Berthold Friedrich Brecht;1898-1956)の三文オペラに、「海賊ジェニー」という劇中歌が登場する。 皆さ..
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